皆様こんにちは。
こんなめんどくさそうなタイトルのブログを開くという事は怖いもの見たさでしょうか。
とはいえありがとうございます。どうぞお時間があれば読んでいってください。
それはさておき昨年に投稿した記事に、私の目線から見た”雰囲気”があり、ヴィンテージファッションに合わせやすく、ダメージを気にすることもないようにこれから先も長く使っていける、”今”買える靴たちを紹介しました。
前回紹介しきれなかった靴もありますので 2点ご紹介するのと同時に歴史もご紹介しようと思います。
今回も少々ニッチな内容ですがお好きな方はどうぞよろしくお願いします。
またご紹介する商品は下記のキャンペーン対象となりますのでよろしければこちらもチェックしてみて下さい。
Trading Post Original 品番:TPA2020-1
- 素材:Box Calf
- 色:Black
- 底材:Single Leather/Vintage Steel
- 製法:Goodyear/Mckay
- 木型:66
- 価格:¥96,800(税込)
プレステージコレクションのスペックで作った青山別注のサイドゴアブーツ。
トップラインが平らになっているおかげで結果的にトラウザースの裾が引っ掛かりにくくなっています。
昔のサイドゴアブーツにもトップラインの前後にはプルタブが付いていたのですが、敢えて外したことでよりストイックな表情になります。
サイドゴアブーツの歴史は古く、イギリスで紳士服黄金期であるエドワーディアンよりさらに前にさかのぼり、1830年代後半の所謂”ヴィクトリアン”の頃、ヴィクトリア女王の為に着脱が簡易なフォーマル用ブーツとして誕生しました。
ヴィクトリア朝より前の時代、ハノーヴァー朝の頃から、日中と夕刻の時では服装を変え、合わせる靴をも変えるのが一般的でした。
主な移動手段は馬であり、男性は馬に乗るときトラウザースかパンタロンというタイトなボトムスに【ヘッセンブーツ】を合わせて履き、夕刻からは短靴やパンプスに履き替えていたといいます。
因みにヘッセンブーツとは何ぞやといいますと、私のへたくそな絵で説明するとこんな感じの物です。
乗馬用としてちゃんと脚を保護できるようにシャフトは16インチほどの高めのハイトで、ハミに靴が入るようにトウのシルエットはほっそりとしたつくりのブーツを履いていました。
いまのサイドゴアブーツやウェリントンブーツ、いわゆる長靴の原型でもあります。
一つの美徳して着替えの時間は大事にされていたようですが、日常の着替えに取られる時間の割合は大きく、なんとなく周りに合わせていた貴族たちやそもそもそんなに拘りのない貴族たちからの不満は多かったんじゃないでしょうか。
当時の洋服はスナップボタンやファスナーのといった便利な物は当然無く、ボタンで開け閉めをしていました。
因みに現代では見かけない日はない線ファスナーが発明されたのはそんなに遠くない未来の1891年に、アメリカで生まれたそうです。
ブーツに関しても基本的には見た目を重視し簡単に着脱できないような作りになっていました。中にはふくらはぎ部分を紐で調節できるものもあったようですが・・・
サイドゴアブーツは無駄な時間がかからないことから、女王の夫であり合理主義者でもあったアルバート公が気に入り愛用したことで民衆に伝播していったようです。
このことから【アルバートブーツ】と呼称されることもありました。
日本には開国したのち、イギリスからサイドゴアブーツが持ち込まれ、明治維新により近代化を進めた偉人たちや階級の高い人々はサイドゴアブーツを礼装として用いるようになりましたが、現代では礼装用のブーツとしてではなくレインブーツやシンプルで大人っぽく履けるファッションアイテムとしての側面が強いと思います。
フォーマルシューズとして生まれたサイドゴアブーツですが、実際に日本に於けるフォーマルシーンでは避けて頂き、オックスフォードのストレートチップを履くのが理想でしょう。
しかしビジネススタイルに合わせても何ら問題ないですし、秋冬は勿論の事、春先にまわりとは少し違う着こなしをしたい時にも重宝します。
Trading Post Original モデル名:GARRETT(ギャレット)
- 素材:Calf
- 色:Black+White
- 底材:Single Leather
- 製法:Goodyear
- 木型:T84
- 価格:¥55,000(税込)
ヴィンテージ靴界隈では不動の人気を誇るSpectator shoes【スペクテイターシューズ】というジャンルの靴。
スペクテイター=観戦者 の意味で、一般的にはコチラで呼ばれます。
もしくは特派員の意味を持つCorespondent shoes【コレスポンデントシューズ】と呼ばれることもあります。
当時のウェルドレッサーとしても有名であったウィンザー公の夫人であるウォリス・シンプソン夫人が良く履いていたスタイルの靴であり、イギリス中が注目したある裁判で被告として挙げられたシンプソン夫人とウィンザー公が共同被告[Co-respondent]として裁判に参加したことからそう呼ばれるようになった説もあります。
とはいえ浸透している呼び名は【スペクテイターシューズ】
これは通称で現代においてはフォーマルシューズ、カントリーシューズなどのジャンルと同列に考えられる概念です。
ゆえに、スペクテイターシューズはこの形、この色、このデザインでなければならないという明確に決まった形というのは無く、かつては素材や色・デザインなどは各々の好きな様に組み合わせられていた様です。
定義をすれば異素材が組み合わされているドレス靴といったとこでしょうが、現代のスペクテイターシューズを指すイメージと言えば、Garrettの様にフルブローグに白と黒、もしくは茶に白のコンビネーションになっているものが殆どです。
この様式美が流行した理由は諸説ありますが、1つだけ私が有力なんじゃないかと思ったものをご紹介します。
19世紀初頭にダービーやポロ、ゴルフやテニスなどといったスポーツを観戦する場所を大事な社交場として用いていました。
そこでこの靴が余所行きの靴として流行した理由として
①・・・リゾートに履いていく”おしゃれ靴”として人気があった、アンツーカソールと白のBUCKS=牝鹿の起毛素材を使用した”ホワイトバックス”と呼ばれる靴。
②・・・ケルト民族の労働靴を起源に持ち、19世紀ごろにはスポーツ用の革靴として定着していったフルブローグ。
といったように、どちらもアクティブでスポーティーなルーツを持つこの二つが合わさった結果、”社交場に履いていく紳士的でスポーティーな靴”として、限定的な用途のアイテムにこだわりを持つ紳士達のツボを刺激し人気が出たのではないでしょうか。
因みに最初に作られたスペクテイターシューズは、1868年にイギリスの超有名靴屋が最初にクリケット用のシューズとして作ったのが最初とされていますが、当時の紳士達には「奇をてらった物」というような扱いがされおり殆ど流行らなかった様です。
50年代以降はイギリスやアメリカでゴルフ、タップダンスやジャズ、ロカビリーなどに浸透し、何かと文化人やスターが履く靴として認知されています。
伝統的に合わせるのであればホワイトリネンのスーツにパナマハットかボーターハットを合わせるリゾートスタイルや、ホワイトのトラウザースにネイビーブレザーなどの伝統的なスポーツ観戦するスタイルのように合わせると良いです。
日常的に使うのであればキレイ目コーディネートやサファリスタイルにスニーカーの代わりで使うのもドレッシーなスポーティーさや白による清涼感が出てとてもアリですね。
いかがでしたでしょうか。
ちょっと長くなりましたが、いつかこの2つについては触れておこうと思いながら結構時間が経ってしまいました・・・
反響があればまたいつか勉強も兼ねてやってみようかなと思います。
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