こんにちは村山です。
本日はコードバンをメンテナンスしようと思います。
コードバンのメンテナンスって「何だか面倒くさそう」とか、「難しそう」とお思いの方もいらっしゃると思いますが、この記事を読んでいただければどなたでもメンテナンスできる様になると思います。
コードバンの基本的な磨き方と+応用として私村山の個人的なポイントなども合わせてご紹介させていただこうかと思います。
さて磨く靴がこちら。
トリッカーズのバートン コードバン。
以前トレーディングポストのインスタストアアカウントにこの靴を投稿したところお褒めの言葉をを頂いた私の中では栄誉ある靴ですが、ご覧の有り様で見る影もなく汚いです。
雨染みやケバ立ちで艶が”皆無“
普通に生活していれば雨でなくとも靴に水滴がかかるのは避けられません。
だいぶサボタージュしてたのでこれを機にリフレッシュさせます。
で、早速ですが次の行程はコードバンの雨染みを消す上で、1番大事になります。1番です。
滅茶苦茶丁寧にやりましょう、仕上がりが全然変わってきます。
①汚れ落とし
まず通常の靴磨き同様、シューツリーを入れて馬毛ブラシでチリ埃を落とします(早くも撮り忘れました)
後にクリーナーを使用していきますが、この時使うクリーナーが重要です。
この時使うクリーナーは“水性のソフトタイプ”がオススメです。
応用というか、靴磨きされる方であれば大体の方がお持ちでは無いでしょうか。
靴磨き好きの方の間では、最近だと固形タイプのクリーナーやリグロイン等の溶剤を使われていたりすると思いますが、コードバンには水性クリーナーが良いと断言出来ます。
色々試した上で、これが1番綺麗になりました。
製品で言えばM.モゥブレイのステインリムーバーやブートブラックのツーフェイスローションなどが良いかなと思います。
トレーディングポストでも取り扱いがございます。
ブートブラック(Boot Black)BTBツーフェイスローション300ml
こちらが水性クリーナーを使用した後。
艶は完全に消え、同時に雨染みも綺麗さっぱり無くなりました。
そもそもなぜ染みが出来るかと言う理由はコードバンという素材自体が、起毛素材に近い構造をしていることからきています。
油分で均された毛(表面)が水分を吸収して膨張する事で毛が起き上がってロウ分が浮き、その部分が染みの様に見えると言うこと。
つまりもう一回毛を寝かしつければ元に戻ります。
そういう訳で、手始めに水性のクリーナーで革に水分を含ませて全体を起毛させ、古い油分、ロウ分を取り除くことであら不思議、染みが消えるというわけです。
汚れ落としが終わった後は、2〜3分乾燥させておきます。
乾くとコードバンの表面はガサガサでマッドな感じに。
次はこれを直していきましょう。
②補油/補色
使う物はお好みのクリームで良いのですが、今回はとことんリッチに、綺麗にするためコードバン専用のものを使用します。
私は自然な風合いが好きな為ニュートラル(無色)を使用しますがお好みで。
因みにコードバン専用クリームは殆どの製品に“樹脂”が配合されいています。
この樹脂が、ケバ立ちを抑制する効果があるので艶が長持ちします。
コードバン製品を購入したら持っておくと便利ですね。ニュートラルであれば財布などの小物にも有用です。
応用…
ペネトレイトブラシを使用しても良いのですが、今回はしっかりクリームを擦り込みたい為クロスで塗っていきます。
コードバンのクリームは乳化性ですが、水分少なめでテクスチャーとしては結構硬め。
その為ブラシより、スポンジやクロスで塗っていく方法がやり易いと思いますが、さして変わらないのでお好きな方法で大丈夫です。
③均し(応用)
表面を均していきます。
やらなくても大丈夫ですが、やった方が確実に綺麗になるコードバンのみに行う特別な工程です。
そして使うのがこのアイテム。
見た事あるけど何に使うかよくわからないアイテムTOP3には入るアイテム。
その名はアビィスティック。コードバン好きなら必携品です。
コードバンだけで無く、カーフ製品のクレーター(銀浮き)の補修や、レザーソールのケアにも使える便利アイテム。
水牛の角から削り出され作られている為高級品ですが、靴用に設計されているので使い勝手で選ぶなら類似品より間違いなくこれが良いでしょう。
トレーディングポストでも取り扱いがありますが在庫が極小の為、お問い合わせいただければと思います。
コイツでクリームを擦り込んだ革を均して行きます。
軽く擦ると艶が出てきました。
ギンピングが施されてる靴や細かいところは角先を使ってやって行きます。
力を入れ過ぎると滑って角先で傷つけちゃうかもしれないので、力加減は軽く行いましょう。
ちょっと時間は掛かりますがこの作業も汚れ落とし同様、丁寧にやってあげると仕上がりが間違いなく一段階上がりますので根気よくケバ立ち達に深い眠りをお見舞いしてやりましょう。
④ブラッシング
ここまで来たらもう終わりが見えてます。
牛革であれば豚毛ブラシを使ってブラッシングをして行きますが、コードバンの場合、馬毛を使用します。
馬毛は豚毛に比べ柔らかい毛質且つ、毛束の密度が高いブラシなので、コードバンの様にツルツルしている革肌には豚毛よりも効率的に艶を出しやすく、ムラも出にくいと言った感じです。
又、埃落とし用のやつをそのまま使用すると表面にチリ埃が付着してしまう為、出来れば埃落とし用とは別に艶出し用の馬毛ブラシを用意すると完璧です。
後は柔らかいクロスで空拭きして終了。
通常のメンテナンスはここまででOKですが今回はリッチなメンテナンスなという事で、よりコードバンを革のダイヤモンドたらしめる仕上がりにして行きましょう。
⑤艶出し(応用)
メンテするなら一目でわかるぐらいツヤッツヤにしてあげたい方はワックスを使用し、艶出ししていきます。
今回使うのはブートブラックのハイシャインコートですが、ぶっちゃけワックスであればなんでも構いません。
ブートブラック(Boot Black)BTBハイシャインコート
全体にワックスを乗せていきますが硬いドライワックスより、新品みたいに柔らかめのものが向いています。
トーやヒールなどの芯材が入っている場所はハイシャイン同様ワックスを重ねて磨いていきますが、シワの入る柔らかい部分には極薄ーく乗せていき、優しく水で磨いていきます。
後はお好みの艶が出るまで磨いて、チョイチョイと整えて完成です。
雨染みの跡が消滅し、コードバンらしい艶が戻ってきました。
牛革の物よりメンテナンスに手間はかかりますが、染みはここまで消すことができるので雨なぞ恐るるに足りません。
お持ちのコードバン製品に染みがあればぜひ参考にしてみてください。
勿論、店頭でも靴磨きの相談を受け付けているので、お困りのことがあれば気兼ねなくスタッフにご質問下さい!
それでは!
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