皆様こんにちは。TP36年の歴史とほぼ同じく歩んで参りました、年長者である私 野勢の四方山話の第七回目となります。
御拝聴どうぞ宜しくお願い致します。
今回はモカ縫いのもう一つの進化系のローファーです。
前回のUチップと違いローファーはモカ縫いのバリエーションが乏しく、ほとんどがつまみモカ(1枚革をつまんで縫う)か合わせモカ(モカ革と本体革の裁断面を合わせて縫う)になります。(詳しくはこちらを)
ローファーはU字型モカ(足の甲部)の上に付いた飾りにより呼び名が変わってきます。
個人的に真っ先に思いおこすのはサドルローファーです。
CROCKETT & JONES 品番: 26254A-C01L1 モデル名:HARVARD 2
- 素材:Aniline Calf
- 色:Black
- 底材:Single Leather
- 製法:Goodyear
- ウィズ:E
- 価格:¥86,900(税込)
甲部に帯状の飾り革(サドル)が補強用に縫い付けられ、その中央に穴飾りがあります。
ローファーの起源は1920年代の英国王室や貴族のルームシューズであり、利便性とデザインの良さから外履き用として人気を博します。
この靴がアメリカに伝えられ主に大学生に愛され、紐を結ばず履けるのでLoafer(怠け者)の呼び名が定着します。
また穴飾りにコインをお守りとして入れた事からコインローファーとも呼ばれています。
ハーバード2はアンライニングなので本体に別革を被せた縁周りから連続するようにつまみモカと続きます。
又呼び名については1930年代にノルウェーの靴職人が地元アウルランド先住民のモカシンからデザインした靴が乳牛の待機場所(loafing area、ローフィングエリア)の作業靴として使われていた、のでLoaferと呼ばれたと言う一説もあります。
お客様から学生時代は履く事はあったが社会人になって「仕事ではローファーは履いた事が無い」とお聞きする事も少なくありません。
靴の始まりであるモカシン (一枚革で足を包む履物)からストレートに進化したローファー。
学生靴と敬遠されている傾向があります。
元来ローファーはカジュアルシューズですが、ビジネススタイルのカジュアル化によりスーツやジャケパンにローファーを合わせるスタイルも市民権を得ました。
紐を結ぶ必要が無く、脱ぎ履きが楽なうえかしこまり過ぎないスッキリとした足元は、今の時代のビジネススタイルにもピッタリといえるのではないのでしょうか。
グレードの高い素材、作りのローファーは学生靴のイメージを払拭してくれます。
そんなローファーをぜひお試しください。
それでは、皆さまの「ご来店」「お問い合わせ」お待ちしております。