皆様こんにちは。
これから、TP36年の歴史とほぼ同じく歩んで参りました、年長者である私 野勢の四方山話を定期的にさせて頂きます。
御拝聴どうぞ宜しくお願い致します。
第一回目は、『セントラル靴』のお話です。
少し昔の話から、1990年代のTPのオリジナルシューズは現在も展開しているセントラル社製をのぞけばテクニック社、アルフレッド・サージェント社の英国2社でつくられていました。
テクニック社のオリジナルシューズ
テクニック社の製品はチャッカー、サイドゴア、ジョッパーブーツ三種のブーツがオールシーズンある印象で、ブランロゴにはトレーディングポストMADE IN ENGLANDのみでテクニックの名前は入っていませんでした。
短靴だけでなく、上述のブーツのシルエットもゴツゴツした印象でなく英国ドレスの木型を使った上品な仕上がりだったものです。
サージェント社のオリジナルシューズ
対するサージェント社製の靴ではトレーディングポストとのダブルネームになっており、テクニック社製品と異なり丸みを帯びたシルエットでややカジュアルよりの印象のシリーズでした。
上記2社の製品はインポートが故プライスもやや高く、オリジナルに求められるコストパフォーマンスにおいてやや欠けていたといえるでしょう。
一方当時より普段使いの仕事靴入門編としてはセントラル社製品が王道として存在していました。
その当時あまり聞きなれないグットイヤーウエルト製法を具現化したような堅牢な作りの力強いブランドでした。
そして、セントラル製のオリジナルは2020年今現在でも脈々と続いているのです・・・。
一番違うのはラスト作り。
海外メーカー既存ラストを自分たち好みの足入れに改良する事、メーカーとの最重要折衝でもあり、そこではたくさんの勉強をさせてもらいました。
対して、現在展開中のセントラルの#66ラストのように自国ファクトリーとの時間をかけた話合いをもとに0から作り上げる贅沢は国内生産だからこそと言えるでしょう。(#66誕生秘話はこちら)
現行#66ラスト以前の従来のオリジナルは万人向けの優しい足入れ(いいかえると緩い)を良策としていました。
そこから一歩進んだ、万人にホールド感が明確な足入れを求め、成功した#66ラスト。
オリジナルの継承レベル以上の新しいブランドに出会った感がし、靴は木型でこんなに変わるモノだと驚きました。
- 素材:Calf
- 色: Black
- 底材:Single Leather
- 製法:Goodyear
- 価格:¥50,600(税込)
今季ダークブラウンからバトンタッチしたボルドー
ビジネスシューズの黒、こげ茶の二択プラスボルドー 足元を引き締めます。
深く、濃い色目
フィッティングのかなめ
「ホールド感が明確な足入れ」と聞くと、何か窮屈な靴を思い浮かべますが、逆にタテのサイズをけずる事なく靴中の位置が、かかと・土踏まずとポイントで固定され、履き込んでいってもフィッティングが甘くならない。
楽に履ける木型となっています。
このようなベーシックな定番品で変わらないように見えても、見えない多くの変化が中には詰まっています。
トレーディングポストでは、今まで36年間にわたり世界中多種多様な数多いブランドを扱い、様々な取り組みをしてきました。
その時々の結果が蓄積され今に脈々と繋がっています。
本コラム及び店頭でも、こういった歴史の一端をお伝えしていきたいと思います。
またの回には
オリジナルの商品のもう一方の雄、世界長ユニオンのオリジナルシリーズをご紹介します。
皆さまの「ご来店」「お問い合わせ」お待ちしております。