ダービー(外羽根式)シューズで
エプロン・フロント(ユーチップ)。
カジュアルシーンで合わす事も多いデザインですが、
ビジネスシーンでも取り入れたくなる
こんなエプロンダービーいかがでしょう?
トニー・ガジアーノとディーン・ガーリング、
二人の「G」による『GAZIANO&GIRLING』。
それぞれエドワード・グリーンやクレバリー等、
名だたるシューメーカーでのキャリアの後に立ち上げられた、
気鋭の英国ブランドです。
世界各地で精力的にトランクショーを開催し、
多くの靴好きに愛されています。
そして、その高い品質と技術は
既製靴にも惜しみなく反映されているのです。
特に、今回ご紹介のこのエプロンダービー。
適度なボリュームをキープしながらも、全体的にスッキリ。
「外羽根」、「ユーチップ」と聞いて思い浮かべる、
タフでラギッドな感じとは全く違う雰囲気です。
ダブルソールでありながら
コバの張り出しは控えめで
フラットなウェルトに目付をした
ほのかに趣味性の薫る、おもむき深い底まわりです。
使用している木型は[TG73]。
いかにもブリティッシュなスクエアトウが特徴です。
ディテールに注目すると、
まず目に飛び込む、技巧をこらしたステッチ。
熟練の手仕事、精緻の極みです。
サイドからも注目。
革の継ぎ目が少なく、
片側のトウからサイドウォール、そしてヒールに至るボトムラインは
一枚のパーツを使用しています。
このあたりが全体的にスッキリ見える要因です。
さらに羽根まわり。
革の厚みを抑えつつ、
ステッチが端のギリギリのところにかかっており、
こうしてもたらされるヴァンプと羽根の一体感も
全体のスマートな印象に寄与しています。
さらにいろいろな角度から。
いかがでしょう。
こうして見てくると、
革自体の厚さが「野暮ったさを感じさせない厚み」で
出し縫いやアッパーのステッチのピッチが「非常に細やか」な
点に気付きます。
これは『ガジアーノ&ガーリング』において重要な点です。
つまり、革が
「耐久性を保持しながらも、やわらかくなじみやすい」
ということなのです。
粗くて硬い革の場合、端ギリギリに
これほどのピッチでステッチをかけると
ボソボソくずれてしまうそうです。
また、革の表と裏の間に針を通すスキンステッチも然り。
革自体がいかに高品質であるかがうかがい知れます。
これが、このエプロンダービーのスマートさの
最大の要因と言えるかもしれません。
さて
そうなるとやはり、
普段のスーツスタイリングにも取り入れたくなるものです。
シーズンはちょうど秋冬。
起毛感のあるフランネルやツイーディーな素材と合わせて、
ダークスーツに黒靴だけではない、
懐の広さを感じさせるコーディネートがおすすめです。
もしドレスコードが許さなければ、そっと
休日にお楽しみいただくのもよろしいかと。
GAZIANO & GIRLING モデル名:Isham
- 素材:Calf
- 色:Vintage Oak
- 底材:Single Leather (Oak Bark)
- 製法:Goodyear
- ウィズ:E
- 価格:¥216,000(税込)